「俺さん、今から会いに行ってもいい?」
突然の出来事だった。
まさかその一言から、その日のうちに人妻である「みずき」の子宮に精液を注ぎ込む出来事が訪れるとは想像すらしなかった。
ネトゲの日常から届いた、一通の「送り状」
「みずき」と私が出会ったきっかけは、某オンラインゲームなのだが、どういう経緯で出会ったのかまでは実はあまり記憶に残っていない。気が付けば彼女は隣に居て一緒に遊ぶ仲になっていたのだ。
そんな彼女とオンラインゲームで遊んでいたある日、母が子宮頸がんを患っていることが発覚し急遽入院することが決まった。
母が入院したことで、食事をどうするかで非常に困った。というのも、私は自分で料理ができないからだ。
このことを、「みずき」に話すと、「私が作ってあげるよ」と言うことになり、クール宅急便で送ってあげるから住所と名前を教えてよとなりました。
そして翌々日だったか、彼女から私宛でクール宅急便が届いた。
その荷物を受取り、送り状を見てみると、習字のお手本のような綺麗な字で、彼女の住所、名前、携帯電話番号がそのまま記載されていた。
もちろん私の住所、名前も書かれてあるんだけど、それを見た瞬間に、遠く離れた場所に住んでいるはずの彼女が私のすぐ隣にいるような錯覚を覚えた。
それは当然だろう。「みずき」が、夫でもなんでもない私に対して、住所と名前、電話番号を教えるという事は「あなたのそばに居たい」と私に伝えているようなものだからだ。
先に書いておくと、その住所をグーグルマップで調べてどんな家に住んでいるのかも調べた。多分だけど、「みずき」も同じように私の住所を調べてどんな家に住んでいるのか見てたんじゃないだろうか。
そして、人妻が自らの居場所を明かす行為は「自分の家庭の門」を自ら開く行為に等しい。もっと言えば、彼女は私の前で股を開き、膣の中へ私の男を迎え入れる用意があることを暗にほのめかす行為だったともいえる。
この時点から、「みずき」と私は遠隔地からお互いの心を愛撫し始め、肉体的に一つに繋がり合う約束を済ませていたのかもしれない。
話を戻して、箱を開けると、後は油で揚げるだけでいい状態のコロッケ、ジップロックに入ったブリの煮物、きんぴらなどが入っていた。それと一緒に、白のニット帽も入っていた。
おかずが入っていたことも嬉しかったが、白のニット帽が入っていたことも嬉しかった。
なぜ白のニット帽に嬉しさを感じたのかと言うと、私の母が子宮頸がんの治療で放射線治療をしたと言う話を覚えていてくれたからだ。
ガン治療で放射線治療をすると、髪の毛が抜け落ちるという副作用があり、「みずき」は、私の母の髪の毛が抜けた時のことを想定して白のニット帽を一緒に荷物の中に入れてくれていたのだ。
こんなに気の利く女性が他にいるだろうか?そして何より、私の母に対して「みずき」自身の母親と同じくらいの深い愛情を注げる女性はそうは居ないだろう。
相手のことを大切に思えるその気持ちに私は感激した。
その夜、「みずき」が用意してくれたコロッケを油で揚げて作ったのだが見事に失敗。黒焦げのコロッケが出来上がり、「みずき」の思いやりを無駄にしてしまった。
その黒焦げのコロッケを「みずき」にLineで共有したら、「俺さん、料理スキル本当に皆無だよね!残念過ぎて超ウケるんだけど!!」とケラケラと笑っていた。
黒焦げのコロッケの味は忘れたのだが、ジップロックに入っていたブリの煮物、きんぴらはとても美味しかったので、「みずき」に、めっちゃ美味しかったからまた作って欲しいと伝えると、「胃袋掴んじゃったか~」と得意気な声で喜んでました。
もしもみずきと一緒になって家庭を持ったら二人で暖かな食卓を囲むことができるんだろうなぁ・・・なんて想像してしまうほど、みずきの手料理は本当に美味しかったのだ。
それはまるで、かつてテレビCMで見た「チャーミーグリーン」の世界そのものだった。
手を繋いで軽やかにスキップする老夫婦のように、何の憂いもなく、ただ穏やかな日常を共に積み重ねていく。そんな、汚れなき「理想の家庭」の幻影を、私は彼女の手料理の中に見出していたのだ。
ま・・・人妻相手にこんなバカな想像をするなんて、俺もどうにかしてるよな・・・。と一笑に付した。
どうやら私は過去に一度、人妻と不倫セックスを経験したことで、相手が人妻であろうと関係なく自由に未来を考えるようになってしまったらしい。
家庭に居場所のない人妻。彼女がゲームに求めた救い
みずきとゲーム内外でお互いに親密な関係を築いて行ったある日、彼女は自身の家庭の悩みを打ち明けてきた。その悩みとは、家庭内に自分の居場所がないということだった。
詳しく話を聞くと、みずきの家庭環境は複雑で、彼女自身バツイチで現在の夫と結婚をしたのだが、その夫もバツイチで元妻との間に娘がいたのだ。
その娘は元妻と暮らしていたのだが、娘自身は元妻との生活が嫌になり、みずきの夫を頼って来て、みずきと夫の家庭で一緒に暮らすようになったのだ。
みずきは、血の繋がりの無い義理の娘との同居生活が苦痛になり、次第に夫といるのも苦痛に感じるようになった。逃げ場のない日常を過ごすうちに彼女はゲームの世界に自分の居場所を見出したことが伺える悩みだった。
この悩みを打ち明けられてから、みずきからLineが届いた。
俺さんのこと好きなの
俺さんに会いたいの
俺さんに触れたいの
俺さんのモノになりたいの
私のいつ叶うかもわからない今の小さな夢です
打ったはいいけど送信恥ずかしくて戸惑うレベルだった…
彼女ができる精一杯の行動が、私に助けを求める事だったのだ。
当時の私は仕事もせず、家に引きこもってオンラインゲームに取りつかれていた男に過ぎず、現実世界と言うものを知らずに過ごしていた。
私は彼女の悲痛な叫びに対し、まるでゲームの中のヒロインを救い出すヒーローにでもなったかのような全能感に浸りながら、「みずきの夢を必ず叶えてみせる」と、根拠のない期待を無責任に投げつけてしまったのだ。
この傲慢な約束を、当時の私は本気で守れると信じていた。
だが、ゲーム内でもさらに追い打ちをかけるように「いつか必ず迎えに行くから待っててほしい」と伝えた直後、彼女は私の想像を絶する言葉を返してきたのだ。
「俺さん、今から会いに行ってもいい?」
未来の約束を交わしていたはずの私たちの関係が、音を立てて「現実」へと引きずり出された瞬間だった。
「今から会いに行っていい?」崩れ落ちた未来の約束
私は、どこか遠い未来の出来事として自分に都合の良い空想を描いていたに過ぎなかった。
しかし、みずきにとってそれは、逃げ場のない家庭という監獄に差し込んだ唯一の光明であり、その光を掴み取るために彼女はすべてを投げ打って私にその身を託そうとしたのだ。
私は、まさか彼女の方から私の住む街までやって来るとは想像すらしていなかったため、いきなり彼女と出会えるなんて何てツイてるんだとそんな軽く浮ついた気持ちでいた記憶がある。
彼女の地元から電車に乗って、更に新幹線に乗り換えて、私の住む街まで来るとなれば夜になるのは確実だった。
そのため、ホテルを予約して一晩過ごせる部屋を確保せねばと思ったが、空き室が見つけられない。流石に当日予約は無茶があると思った。
だめだ~みつかんね~。そう思っているうちに、みずきが新幹線で到着する時刻が近づいてきたので駅の改札まで出掛けて彼女の到着を待つことにした。
改札で待っていると、ショルダーバッグを肩に掛けたみずきが改札から出てきた。彼女とはLineでお互いの写真交換をしていたのですぐに分かった。
みずきの見た目を言語化すると、さらっとして栗色がかった髪の毛のボブカット。二重瞼で切れ長の瞳。すっとした鼻。卵のような丸みのある輪郭。とても綺麗な女性でした。
そして、みずきをギュッと抱きしめたときに、ほのかにシャンプーの香りを感じました。
時期は冬だったため、コートの上からでは彼女の肌の温もりや肌の柔らかさは感じなかったけれど、恋人らしい出会いができた記憶があります。
そして、「みずき、ホテルの予約が全然取れなかったから、ラブホになるかもしれないけどいいかな?」と彼女に訊ねると、「うん、それでいいよ。当日で部屋が取れると思ってないし最初からラブホを考えてたから全然オッケーだよ」
ひとまず、ラブホを探さなきゃいけないわけだけど、私が通っていた専門学校が直ぐ近くにありその通学路にラブホがあったことを知っていたので、そのラブホに宿泊することにした。
専門学校に通っている時は、自分とは無縁の世界と思っていたけど、まさか自分が人妻と一緒に宿泊するとは想像すらしてなかったなぁと思いながら、みずきと一緒にどの部屋にするか選んでいた。
しかも私はラブホを使ったことが一度もなかったので、余計に緊張してドキドキしていたのを今も覚えている。
フロントでチェックインを済ませて部屋に入ると、ダブルベッドがドーンと置いてあり、ベッドの枕元にはコントロールパネル?みたいなのがありました。
荷物をおいて、みずきと一緒にソファーに座りました。
部屋は静まり返り、二人きりしかいない空間なのに、彼女は開口一番「つかれた~。俺さん私は本当に疲れたよ~。だって俺さんに会いに来るために電車に揺られて更に新幹線で3時間くらいの長旅だよ~。私をいたわって~」と甘えてきました。
「じゃあさ、まずはお風呂に入って体を温め合おうか?」と提案すると、そうしよ!そうしよ!と言うことでお風呂にお湯を張ることに。
お風呂にお湯が貯まる間、二人でソファに座りながら、みずきのさらっとした髪の毛を、彼女の頭の上からゆっくりと撫で下ろすように触りました。
先程まで甘えていたみずきは、私に何かを期待するかのように無言になりました。部屋は湯船にお湯を張る音だけが響き渡っていました。
みずきと私しかいない部屋。何が起きてもおかしくない空気。
かつて学校に通うためにこのホテルの前の道を通り過ぎていた若かりし頃の私は、今のこの景色を想像できただろうか?無職で引きこもり。それでも今、一人の人妻の人生をこの手で抱き寄せようとしている。
私はみずきの柔らかな唇に触れるか触れないかゆっくりと唇を重ね合わせました。駅の改札の雑踏の中で感じた清潔な香りは、密室の熱気と彼女の吐息に混ざり合い、私の理性をもっと深い場所へと引きずり込もうとしていた。
重ね合わせた唇から伝わるのは、画面越しでは絶対に伝わってこない生身の女性の重みと覚悟だった。もう、ゲームの中のヒロインを救い出すようなクエストではなく、彼女の家庭に忍び込み、彼女の夫から彼女そのものを奪い寝取るリアルな事件なのだ。
もしも彼女の夫が目の前に現れたのなら、顔の形が変わってしまうくらい激しい暴行を加えられていたに違いない。だが、当時の私はそのような危険の想像すらできず、彼女の肉体を自分のモノにすることしか考えていなかったのだ。
そして、お風呂の湯舟にお湯が貯まりざぁざぁと溢れて流れだす音が聞こえてきた。
みずきは「ねぇ、電気を消すから、私が服を脱いでお風呂に入るまでの間、私の裸は見ないで欲しい」と言って、彼女は静かに浴室へと入って行った。
しゅるしゅると、服を脱ぐ衣擦れ音が聞こえてくる。そして浴室の扉をガチャっと開けてバタンと閉める音が聞こえた。すると、「俺さん、もういいよ~。一緒にはいろ?」と声が聞こえてきた。
みずきは既に裸の状態でお風呂に居る。想像するだけで私の男は天を突き上げるようになった。そして私も服を脱ぎ捨て裸になり浴室に入った。
浴室は暗かったが、みずきは腕で乳房と膣を隠すようにして立っている姿が見える。湯船に足を入れ、みずきと向かい合い再び唇を重ね合わせた。
外は寒かったし湯船につかってあったまろ?と声をかけ、みずきの背中から抱きしめるようにして湯船につかり私の男を彼女の背中に押し当てた。
それが背中に触れた瞬間、みずきは背筋をピンと張ったようなしぐさを見せた。彼女を覆っていたこれまでの日常を、私の男の熱によって焼き尽くし、人妻であるみずきの肌に私と言う男の刻印を新たに刻み込んだ瞬間でもあった。
そして、私の男の形と感触をみずきの脳に記憶させるための最初の儀式でもあったのだ。
ぴちょん・・・浴室に蒸気がたまり天井から水滴がしたたり落ちる音が鳴り響く。みずきも私もお互いの肌の重なり合いに全神経を研ぎ澄ますかのように静寂が浴室を支配していた。
浴室の静寂。夫という名の「所有権」を書き換える儀式
みずきは家庭ではなく、私の懐を自分の居場所と定めたようにピッタリ密着して動こうとしない。みずきの背中から、彼女の鼓動と共に「私を受け止めて欲しい」という切実な思いが伝わってくる。
だが、その温かな静寂の中にいつまでも浸っていることは、私の本能が許さなかった。彼女の「居場所」を、単なる癒やしではなく、私なしでは生きられない「渇望」へと作り変えたくなったのだ。
私は、彼女を抱きかかえるようにして、ざばりと音を立てて湯船から立ち上がった。突然奪われた浮力に、みずきは私の首に強くしがみついた。
そのまま彼女を浴室の壁際まで運び、冷ややかなタイルにその白い背中をもたれかけさせた。壁の冷たさと、密着する私の体の熱。その逃げ場のないコントラストに、みずきは小さく吐息を漏らした。
私は吸い寄せられるように、彼女の秘部へと視線を落とした。そこは、彼女が守ってきた「妻」という最後の砦だった。
私は膝をつき、彼女の秘部へと顔を寄せた。
そこで私が行ったのは、単なる快楽の提供ではない。人妻である彼女の戸籍に記された「夫」という名の所有権を、私の唾液で塗りつぶし、書き換えていく作業だ。
彼女が社会的に誰のものであろうと関係ない。今、この湿った熱の中で、彼女の肉体は私という存在の所有物へと移るための前準備を終えようとしていた。
私の舌先が、彼女の最も敏感な場所に触れる。その瞬間、みずきは冷たい壁を掻きむしるようにして、今まで聞いたこともないような獣じみた声を漏らした。
それは、彼女を縛り付けていた「妻」としての理性が、私の愛撫によって無惨に剥ぎ取られた合図だった。
浴室の壁際で彼女の秘部に触れ、戸籍上の夫からその所有権を奪い去るような感覚に浸っていたのは、10年後の今の私の解釈に過ぎない。
当時の私は、あまりにも急激に動き出した「現実」に対し、心も体も追いついていなかったのが本音だ。彼女を求めていたはずなのに、いざその肉体を目の前にすると、自分が取り返しのつかない一線を越えようとしている恐怖に足がすくんでいた。
浴室を出て、湿った肌を拭き合い、ダブルベッドに横たわった時、彼女が静かに告げた。
「私、今日って生理なんだよね」
その言葉は、熱に浮かされていた私を現実に引き戻すには十分だった。私はどこか安堵に近い気持ちで、「じゃあ、今日は無理にしなくてもいいよ」と口にした。それは彼女への配慮以上に、迫りくる責任から逃げ出したいという、私の卑怯な防衛本能だったのかもしれない。
しかし、みずきは止まらなかった。
「俺さんはどうしたい?私としたくない?私の体調を抜きにして、私としたいって思わない?どうなの?」
彼女の瞳には、逃げ場のない家庭や義理の娘との軋轢から今すぐ抜け出したいという、悲痛なまでの渇望が宿っていた。
それはもはや、単なる欲情ではない。私という存在を「共犯者」に仕立て上げることで、彼女自身の「帰る場所」を自ら焼き払おうとする、決死の儀式のようにすら感じられた。
生理の血と、子宮への解放。戻れない一線を越えた夜
ベッドの上で、みずきは逃げ場のない問いを私に突きつけてきた。
「みずきとしたいよ。みずきが生理でも大丈夫っていうならしたい。でも無理はしなくていいからね」
精一杯の、そしてどこか卑怯な配慮を含んだ私の言葉に対し、彼女は一切の迷いを見せなかった。
「じゃあ、しようよ。私は俺さんとしたいよ?」
彼女の言葉は、単なる誘惑を超えていた。さらに彼女は、不倫というタブーの深淵へ私を引きずり込む、決定的な一言を放った。
「私は妊娠しない身体だから、中に出していいからね」
ゴム無しのセックス、そして子宮への直接的な射精。人妻である彼女がその身を私という「共犯者」に完全に明け渡すという宣言。
ゲーム内の会話で彼女に子供が望めない事情があることは知っていたが、いざ現実の肉体を前にしてその言葉を突きつけられると、私の内側には「本当に大丈夫なのか?」という男としての本能的な不安がこみ上げてきた。
だが、今の私にそれを拒む術はなかった。私は、逆らうことのできない激流に身を任せるように、彼女の覚悟という熱に飲み込まれていったのだ。
本格的に重なり合う前、みずきは私の男を優しく口に含んだ。しかし、あまりにも急激に現実化したこの「事件」に気圧されていたせいか、私の男は本来の勢いを取り戻せずにいた。
「緊張してるのかな?大きくならないね」
彼女の指摘に、私はどこか自分自身の情けなさを感じながらも、「みずき、キスしよ?」と彼女の唇を求めた。
重ね合わせた唇。そこから伝わる彼女の体温は、冷え切っていた私の心の震えを鎮めるようにゆっくりと浸透していった。そのぬくもりが血管を伝い、私の男へと届いた瞬間、それは力強い生命の鼓動と共に膨張を始めた。
みずきは満足げに微笑むと、静かに私の上に跨った。
彼女の深いクレバスが、私の男を一飲みにする。
「……っ」
膣内の圧倒的な熱量。それは彼女が抱えてきた孤独の温度そのものであったのかもしれない。彼女は上体を私の胸に深く密着させ、私たちは上の口も下の口も一つに結ばれた。
見つめ合う瞳の中に、彼女の家庭という名の監獄の影はもうどこにもなかった。あるのは、今この瞬間に私という男を自らの奥深くに刻み込もうとする、狂おしいまでの執着だけだ。
彼女は私を貫いたまま、ゆっくりと、しかし確かな重みを持って腰を上下に振り始めた。
「ぱん、ぱん、ぱん、ぱん……」
静まり返ったラブホテルの部屋に、湿った肉体と肉体が激しくぶつかり合うリズミカルな音が響き渡る。
その音を耳にした瞬間、私の脳裏には場違いな既視感が浮かんだ。それは、かつて画面越しに眺めていたアダルトビデオのセックスシーン、そのものだった。
(ああ、本当に『パンパン』って鳴るんだな……)
そんな、どこか他人事のような、妙に冷めた感動が胸をよぎる。
だが、その音は記号化された映像の中の音ではない。今、私の目の前で髪を振り乱し、必死に私を求めている「みずき」という生身の女性が、その肌を私に叩きつけることで生み出している、あまりにも生々しい現実の鼓動だった。
「俺さん、俺さん……っ!」
みずきが私の名前を呼ぶたびに、そのリズムは速度を増していく。虚構だと思っていた音が、鼓膜を通じて私の本能を直接揺さぶり、理性をさらに深い場所へと引きずり込んでいった。
生理の血という生命の断片を感じながら、私は彼女の子宮という聖域に向かって、自分自身のすべてを解放した。
白く熱い精液が、彼女の奥底へと注ぎ込まれていく。
その瞬間、彼女のこれまでの献身も、家庭内での忍耐も、すべてが私の存在によって「書き換え」られたのだ。戸籍上の夫が築いてきた年月を、たった一晩の、しかし決定的な一撃で奪い去る。
事切れた後の静寂の中で、私は彼女の鼓動を聴いていた。
それは、10年前の私が「一人の人妻の人生」をこの手で受け止めてしまった、取り返しのつかない始まりの音だった。
みずきが私に作ってくれたあのブリの煮物の味は、もう彼女の夫には再現できない。なぜなら、その献身の源流は、今や私が注ぎ込んだ精液によって完全に書き換えられてしまったからだ。
彼女は明日も、何食わぬ顔で夫に食事を作るだろう。だがその指先には、私と混じり合った夜の記憶がこびりついている。
今夜、あなたが口にする妻の手料理。その味の裏側に、見知らぬ男の『刻印』が隠し味として混ざっていないと言い切れる自信が、あなたにはあるだろうか。



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